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ところで、マーケティングという考えは製薬会社内ではどの部署にとって重要なのでしょうか。それは「学術」や「企画部」、あるいは「マーケティング部」に限定されるのでしょうか。そのようなことは決してありません。全ての部署とって大切な考えなのです。他産業においても、「マーケティングカンパニー」を標標榜する会社の経営トップはあらゆる階層、あらゆる部門の社員に「マーケティング力」や「マーケティングマインド」を求めています。では、もう少し具体的になぜ全社員にマーケティングが重要なのでしょうか。それは、マーケティングに次のような特徴があるからだといえます。
1.マーケティングは持続的な企業成長のための機能である
2.マーケティングは今の収穫(価値の実現)ではなく、将来の糧のために種まき(価値の創造)をする
3.マーケティングは戦術(アクション)ではなく、戦略(頭脳を使う創造的活動)である
これらの三つの点を詳しく解説しませんが、マーケティングは長期的な考えに基づき、頭を使う仕事だといえます。特に「頭を使う」というのは、現代の企業においてはますます強調すべき点でしょう。つまり、社員がただ上司の命令にしたがのは時代遅れで、自分の仕事をどのように行うかについて、自分自身で、あるいはチーム内で決めるのが常識になりつつあります。そして、何をすべきかの重要な判断基準として、「顧客」との関係があげられるのです。「顧客」との関係という判断基準をもつこと、表現を変えるとそれはマーケティングマインドをもつことと言えましょう。
社員ひとりひとりが自分の頭を使い、顧客との関係から何をすべきを考えることが重要になってきています。つまり、ますます社員にはしっかりとしたマーケティングマインドが求められるようになってきていると言えます。
それでは、一人ひとりの社員が各々の部署でマーケティングの役割を果たす、ということはどのようなことを意味するのでしょうか。
ここでは、MRの皆さんの活動をマーケティングの視点で見直してみましょう。MRのみなさんの売り物は何でしょうか。以前であれば、それは「医薬品」というモノでした。上司や本社の命令にしたがってできるだけたくさん売ることが仕事でした。しかし、皆さんの売り物は既に「医薬品」というモノに限定されなくなってきました。今のMRの皆さんにとって大切な売り物は「医薬情報の提供」というサービスも含まれているのです。「医薬品」というモノであれば見た目も中身も全て同じです。しかし、「医薬品情報の提供」はそうではありません。本社から与えられる情報は均一だとしても、皆さんはそれはそのまま顧客に提供することはないでしょう。顧客のニーズにあわせて加工し、編集することが普通だと思います。これが皆さんにとって、最も身近なマーケティング活動ということがいえます。
産能短期大学専任講師 内藤英俊
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