第9話 MRの思い込み
こんな話を聞いた事はありませんか?
象を調教する時には子象の時に頑丈な鎖でまったくびくともしないもので前足を結び、子象がいくら暴れて、皮膚が傷ついてもつないでおく。そのうちに子象はあきらめて前足に紐をつけられるだけで動けないものだと思い込み、調教師の言うがままに従う。大きくなって暴れたらそんな紐や固定した杭などすぐに引きちぎれるのにもうそんな気持ちはまったくないのでおとなしい。しかし、火事などで非常事態が起きてその紐を簡単に引きちぎれるのを知った象はもう調教師の手にはおえないようです。

ここで使われているのは「思い込み」を植え付けることです。この思い込みはMRにとっても非常にネックになっています。それについてお話してまいりましょう。

MR活動の中で初めて会った時に叱られたとか、先輩にあの先生は変わっているから気をつけろとか、あの先生は女好きで病院の看護婦をかたっぱしから口説いているなどネガティブな情報や状況があると、どうしてもそのDrをそのような目で見てしまいがちです。
特に無視されたとか、うっとうしがられたとか、侮辱的な言葉を言われたとかが続くとそのDrに対して悪感情を持ってしまいますし、また自分自身のMR活動になにか不備な点が多いのかなあと自身喪失に結びついたりしてしまいます。ここに思い込みが徐々に入り込んでいます。

実はいい先生でも徹夜明けや患者さんの死を看取った後は機嫌の悪いこともあるし、また気さくでいい治療をする先生だからナースに人気があり、それを羨んだ人が流した中傷情報だったり、家族とケンカして、考え込んでいるDrだったら「ぼー」としていることもあるでしょう。でもネガティブな情報が前もって存在して、そのような状況が続くとそれが結びついて悪いイメージになってしまいます。それが訪問時に行きたくないとか会いたくないというネガティブアクションに結びついてしまいます。

思い込みの要因は下記の3つに分けられます。
1)環境的(文化的)要因 → パターンや定型化が心地よい
  環境での定義や決まりに順応することにより、固定観念を持ってしまう。
2)精神的(感情的)要因
  自分内部の気持ち → 批判・拒絶されるのを恐れる、不安、焦燥、劣等感、プライド
3)認識的要因
  物事を認識する時に障害(狭窄)がある → 無知・無関心・問題に気付かない・1つの解決に安心してしまう・自分の作った条件に縛られる・自分の感覚に自信過剰になる

このような要因によって先入観や固定観念が生まれて、MR活動の障害となることがあるのです。

じゃあどのように思い込みを解消していけばいいのでしょうか?

1)現状に満足せず、とにかく常に「なぜ」という気持ちを持つ。
今日、先生はなぜ面会してくれなかったのか?→受付やMSに先生の予定を聞いてみるとその日は学校健診の日で忙しいなど、なぜという疑問に対し理由をきちんと把握する努力をする。
2)自分の方法や技術はまだまだ改善の余地があると思うこと。
3)他のMRが知らないような情報を探す努力と他のMRがしていないようなサービスをすること。
4)現在ある会社での価値観というものを疑ってみる。できれば壊してみる。新しい自分なりの価値観を持てればGOOD!
5)様々な視点を知るために同じテーマでも様々な年齢の同僚や異業種の仲間との話をするべき。

思い込みは一種の頭の老化です。このコラムを読んだ方は今からどんどん既成概念をぶち壊して新しい価値観を産み出して頂くことがMRには必要なのではないでしょうか?
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