一. 診療に関する帳簿等の保存
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診療に関する帳簿等は年々増加しており、保管場所に頭を悩ましている医療機関が多いと思う。法的には保存期間が定められているが、診療に関する帳簿は医療機関においては宝であり、また研究の大切な資料ともなり永久に保存する施設が多い。
しかし、一方では年々増加する診療録を保管するために倉庫の必要をせまられることになる。とくに、都心部に位置する医療機関ほど保管スペースの確保に四苦八苦し、取り合えずは郊外の倉庫会社の倉庫を借用し保管しているのが実態ではないだろうか。しかし、貸倉庫といっても決して安くはなくそれが長期間に渡る場合には、そのコストも莫大なものになってくる。最近は「CR」といって、ディスクに画像をファイルし、必要に応じてフィルムに取り出せる装置もあるが、まだ高価なため普及していない。そこで医療機関にとっては、ある一定年数の経過した診療録等については廃棄を行うという方法をとるところもでてきている。
この時に頭を悩ますのが、どのくらい経過したものを廃棄の対象とするのか、診療に関する各種帳簿を一括処分してよいのか、あるいはものによって処分年数を設定するのか等々ではないか。医療機関においては帳簿ごとにおのおのの保存年限を設定しているところもある。また、患者の権利意識向上に伴い医療訴訟となるケースも増加傾向にあるところから、ある程度の年数を保存する必要がある。
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二. 法的保存年限
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医師法第二四条第二項
(2)前項の診療録であって、病院または診療所に勤務する医師の診療に関するものは、その病院または診療の管理者において、その他の診療に関するものは、その医師において五年間これを保存しなければならない。
医療法施行規則第二〇条第一一号
診療に関する緒記録は過去二年間の病院日誌、各科診療日誌、処方箋、手術記録、検査所見記録、エックス線写真ならびに入院患者及び外来患者の数を明らかにする帳簿とする。
保険医療機関及び保険医療養担当規則第九条
保険医療機関は、療養の給付の担当に管する帳簿及び書類その他の記録をその完結の日から三年間保存しなければならない。ただし、患者の診療録にあっては、その完結の日から五年とする。
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三. エックス線写真の保存期間
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医療法施行においては、エックス線写真の保存期間は2年間と定められている。一方、保険医療機関及び保険医療担当規則(療担規則)においては“療養の給付の担当に関する帳簿及び書類その他の記録”の保存期間は3年間と定められている。
医療法(施行規則)が全医療機関を対象としているのに対して、療担規則は保険医療機関を対象としている。したがって、保険医療機関におけるエックス線写真の保存期間は3年間である。エックス線写真の保存方法については、フィルムとして現物を保存することになっている。ただし、3年間を超えて保存する場合には、マイクロフィルム等加工したデータとして保存しても差し支えない。
また、診療録が完結の日からの保存期間に対し、エックス線写真については過去3年間分の保存ということで、完結であろうがなかろうが関係ないということになっている。なお、医療機関によっては各種検査記録や検査所見を診療録に添付しているところもあるが、これらの添付された記録や所見は診療録の一部とみなされ5年間の保存期間となる。したがって、単独で保存する分については医療法上の規定で取り扱うことになるが、診療録に添付されたものについては診療録として扱うことになる。
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