回答は○×方式です。解答は一番下にございます。
[9] 無診察による投薬についてのクイズ(3問)
(1)
医師法第二〇条では、無診察で患者に投薬する事を禁じている。

(2)
現在の新薬認可は一般的に有害作用より有益作用が上回れば許可されるものである。

(3)
患者の求めに応じて安易に投薬し、その結果症状が悪化したり副作用が出たりした場合、医師の過失となり、法的責任が問われる。
[9] 無診察による長期投与(解説)
一. 無診察投与
 よく「薬がなくなったので出して欲しい。」とか「痛み止めの薬がきれたのでだしてほしい。」等々電話や窓口で薬のみを求めてくる場合が多い。極端になると一方的に要件のみ話して電話を切る場合もある。長期間来院していない患者の場合は「しばらく診察を受けていないので薬はお出しできません。」等の返事をしているかと思うがそれに対する患者の反応はさまざまである。素直に近日中に受診する旨を申し出る患者はまだしも、忙しくて受診できないとか、遠方ですぐ来院できないとか、症状が安定しているので診察は不要との自己診断のものと薬のみ要求する患者とか・・・それでは、なぜ薬のみだせないのだろうか。
医師法第二〇条[無診治療等の禁止]
医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方箋を交付し、自ら出産に立ち合わないで出生証明書若しくは死産証書を交付し又は自ら検案しないで検案書を交付してはならない。但し、診察中の患者が受診後二四時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りではない。
 ここでいう診察とは、問診、聴診、触診等を指しどの方法によるかは規定されておらず、要するに現代医学において一応診断を下しうる程度でよければよいとされている。また治療とは、手当、処置、手術、投薬等を意味している。

二. 無診察投与禁止の理由
 なぜ、このように厳しく無診察治療を禁止しているのか。それは、「クスリはリスク」と言われているように、一つ使い方を誤れば危険な状態に陥る事もあり得るし、身体にとっては薬といえども異物に変わりないわけで必ずや副作用というものが起こりうる可能性をもっているためである。現在の新薬認可は有害作用より有益作用が上まわれば許可される仕組みになっている。
 したがって、長期間服用していくうちに体質の差はあれ、副作用が出現してくることは十分あり得るといえる。患者の求めに応じて投与することは危険この上もないということで、医師法第二〇条で無診察治療等を戒めているのである。患者の求めに応じて安易に投薬しその結果症状が悪化したとか、副作用を起こした等の事故の場合、医師の過失となり医療過誤としての法的責任が問題となってくる。ただし、前日まで相当期間にわたって診察を続けてきた患者から電話で投薬の照会があり、とくに急変も認められないような場合、適当な指示を与える程度のことは必ずしも違反にはならないとされている。この場合においても、医師の予見し得る期間が限度といえる。予見とは「事がまだ現われない先に、推察によってその事を知ること。」(広辞苑)ということであり、現代医学の中で予知できる期間と考えられている。したがって、慢性疾患の患者で長期海外出張につき、この先一年間分の薬がほしいと申し出があっても心情的には理解できても予見し得る期間を逸脱しているといえる。療担規則は、医療機関の、医師の、保険診療にあたっての遵守規定であり第二〇条は診療の具体的方針を定めている。同じ効能でも患者と合う薬、合わない薬があり、患者一人ひとりについて微妙に異なるところがある。定期的な診察により全身管理を行いつつ的確な診断のもと投与すべきということになる。
解答
(1)
(2)
(3)