回答は○×方式です。解答は一番下にございます。
[14] レセプトについてのクイズ(5問)
(1)
わが国では、保険への加入は任意だが、8割の国民が加入している。

(2)
三者機関(支払基金・国保連合会)は、医療機関より提出された診療録の審査を行っており、審査後診療報酬は保険者より支払われる。

(3)
審査の段階で診療内容と病名が一致しないものについては、診療報酬がまったく与えられない。

(4)
保険請求上、「レセプト病名」は多く「本当の病名」は少ない。

(5)
現在の保険診療では、現有する疾病に対する給付が目的であり、予防に対する給付は認められていない。
[14] レセプト病名(解説)
一. レセプト病名(保険病名)とは
 わが国は国民皆保険制度をとっており、国民はなんらかの保険に加入していることになり、病気等で医療機関を受診する場合には保険による診療を受けることになる。医療機関は一ヵ月分をまとめて第三者機関に提出し、審査後保険者より第三者機関を経由して診療報酬が支払われることになる。この第三者機関(支払基金、国保連合会)は医療機関より提出されたレセプトの審査を行っている。審査の段階で診療内容と病名が一致しないレセプトにつては、減額処置がとられ、診療報酬額が決定されることになる。この第三者機関の審査に対し査定を受けない病名をレセプトに付与する場合がある。すなわち第三者機関による審査で審査を受けない事を目的として“レセプト用に命名して記載する審査員向けの病名”をいう。病名と診療内容は一致するが患者はその疾患の治療をしていないというつじつま合わせのための病名ということになる。なぜこのようなことをするかというと、本当の病名のみで保険請求したとすれば内容と病名の不一致ということで査定され、病院経営にも影響を及ぼすことになりかねないためである。

二. 本当の病名
 医師が自分の頭の中で学問的に思考して、命名し、学術報告などで使用する病名をいう。診療録等外部に提出しない書類に記載されている場合が多い。

三. 病名記載その「おもて」と「うら」
 保険請求上、「レセプト病名」は多く「本当の病名」は少ない。医療機関によっては、診療録と会計カードを使い分けて「本当の病名」は診療録に、患者に知られても差し支えない病名は会計カードに記載しているところもある。また診療録の表紙と裏表紙を使い分けし、患者の目につく表紙には「○○炎」等記載し、裏には「本当の病名」(例えば、○○癌、等)を記載しているところもある。

四. レセプト作成
 通常、医療機関では第三者機関に提出するまえに院内点検と称してレセプト点検を行い不備があれば補正して提出することになる。この院内点検は一般的には、まず医事務員が病名不備、診療内容等の点検を行い、症状詳記の必要なレセプトについては医師に記載を依頼し整備する。さらに、保険担当医または院内審査医師の点検を行い、補記、必要に応じて詳記を加えそこでOKとなってものを提出という手順になる。本来なら、診療行為の際に病名が付けられ記載されなければならないが、実際には後でレセプトとなった時点で、病名が付けられるというケースが多い、(もっとも、一ヵ月分の診療内容をまとめたものがレセプトであり、一ヵ月分の診療内容の点検をするには見やすく、点検しやすいということもある。)また、レセプトに病名記載されたとしても診療録には未記載という場合が見受けられる。
 現在の保険診療では、現有する疾病に対する給付が目的であり、予防に対する給付ができないことから予見しうる疾病に対し診療行為を行った場合でも、現有するかのような疾患名を記載し保険請求することになる。(たとえば、抗癌剤と併用して、胃炎の薬剤を投与した場合、本来は、抗癌剤の副作用予防のために抗炎症剤として併せて投与することになるが、この場合「○○癌」の病名だけでは審査上承認されないため、「胃炎」という病名を付けて請求することになる。)書面審査を基調としている現在の現状では、レセプト病名が決して好ましいものとはいえないが、経営上やむをえないものと考える。診療情報開示がますます増えてくると予想される中『レセプト病名』の説明も保険医療制度上の理解されがたいものの一つと思われる。
解答
(1)
× (2)
× (3)
× (4)
(5)