回答は○×方式です。解答は一番下にございます。
[17] 被保険者の資格喪失についてのクイズ(2問)
(1)
被保険者の資格喪失の事実が発覚した場合には、事業主は証を回収し、保険者に返納する義務がある。

(2)
保険医療機関が被保険者資格の喪失を知らずに患者への療養の給付を行い、医療機関の故意、過室がない場合は、患者のもとへ全額の請求がいくことになる。
[17] 資格喪失後の受診(解説)
一. 過誤返戻事由
 受診時保険証を確認したにも関わらず、被保険者が喪失後も保険者に保険証を返納せずそのまま使用して結局資格喪失後の受診ということでレセプトが返戻される場合がある。窓口担当者としては非の無い対応をしており、本来なら患者さんがきちんとした手続きを踏めばこのような事態も起こらない。この場合、保険医療機関としてはどうすればいちばんよいのだろうか。保険者の申し出を受けるべきか、あるいは断固として断るべきか。あれこれ悩んでしまうところである。

二. 被保険者証の回収ならびに返納義務
 国民皆保険制度下において、すべての国民(生活保護受給者を除く)はなんらかの保険に加入しているが、この被保険証には資格を有しているか否かを証明する資格証の機能と、療養の給付を受けられるための受療券としての機能を持っている。したがって、このような機能を持つ被保険証は重要不可欠なものであるといえる。また、健康保険の運営は被保険者より保険料の徴収により成り立っていることから常に住所変更や退職・死亡による資格の変更・移動を把握し、遅れることなく被保険者証に反映させるとともに、更新や検認を行って事実関係の存在を確認している。しかし、実態は頻繁な住所変更によって、所定の手続がまったく行われなかったり、また行われても相当期間経過していた等で被保険者証が現実の被保険者資格を反映していない事が多い。資格喪失の事実が発生した場合には健康保険法第二三条ノ三で事業主に証の回収義務と保険者に対する返納義務を規定している。この義務を怠って、一方的に過誤返戻として医療機関側に対応を求めるのはいかがかと思う。

三. 資格喪失後の受診
 それでは、異動の事実が発生した後に、手続きを行わず受診した場合の取り扱いをどうするかというと、被保険者資格喪失後に受診した場合についてはまず当該被保険者証は無効となる。したがって、この被保険者証による保険給付も無効となり保険医療機関側に不当利得が生じ、不当利得に対する返還の義務が発生することになる。しかしこれはあくまでも保険医療機関が無効であると知っていながら療養の給付等の現物給付を行った場合である。保険医療機関側に故意や過失がない場合には、被保険者に対する療養の給付については保険者がその費用の支払いを負うことになる。したがって、被保険医療機関側に故意や過失がない限り保険医療機関に責任はないので、返戻されても保険者で対応すべきということになる。とはいえ、保険医療機関で断れば、後日患者本人にそっくり医療費全額の請求がいくことになり、しまいには患者自身が請求額に驚いて医療機関の窓口に泣き付くことになる。国民皆保険制度下における「非保険者証」の意義・取り扱い等について被保険者教育の徹底を保険者に望むところであるが、今更嘆いても始まらない。窓口担当者としては日頃からどのような出来事に対して対応する知識の習得と研鑚を積むことである。
【参考】
健康保険法第二三条ノ三
非保険者其ノ資格ヲ喪失シタルトキ又ハ其ノ保険者ニ変更アリタルトキハ事業主ハ遅滞ナク被保険者証ヲ回収シ之ヲ都道府県知事又ハ組合ニ返納スベシ、以下省略
解答
(1)
(2)