回答は○×方式です。解答は一番下にございます。
[18] 医療保険の取得と交付についてのクイズ(4問)
(1)
保険給付は被保険者になった日から受けることができる。

(2)
保険者証の提示をしないと「療養の給付」を受けられない。

(3)
被保険証者がなんらかの理由で手許にないとか、急変により被保険者証の提示ができなかった場合等一定の該当する事項により保険給付を受ける事ができなかった場合に、いったん保険医療機関に全額医療費を支払い後日保険者から保険者負担相当分の医療費を償還してもらう「医療費返還制度」がある。

(4)
健康保険の運営は医療機関からの税金の徴収によって成り立っている。
[18] 取得と交付(解説)
一. 遡り保険加入について
 どの病院でも頭を痛めているケースに、どの保険にも加入していない患者さんの請求についてではないだろうか。本来なら、読者諸氏ご存知のようにわが国は「国民皆保険制度」によって国民全員(生活保護受給者は除く)になんらかの保険加入が義務付けられている。しかし現実には、まったく何の保険にも加入していない方も多い。そのような方が病気やけがで受診されると窓口担当としては真っ先に「支払いは・・・」「請求先は・・・」という診療費のことが頭にうかんでくる。
 先日も、半年前に会社を退職し、その後アルバイトをしながら生活していた患者さんが「急性胃炎」で救急車にて搬送入院となった。会社退職後国民健康保険に加入しておらず、遡って国民健康保険に加入手続を行った。しかし資格取得日は会社退職日の翌日となったが、交付日が加入手続を行った日となり、しかも保険給付は交付日からということで、交付日以前の診療費については国民健康保険適用とはならなかった。法的には社会保険の適用がなくなった時には、一定の適用除外の規定に該当する場合を除き本人の意思に関係なく、強制的に市町村の行う被保険者となる(国保法第五条)が、保険給付は必ずしも被保険者になった日からとは限らない。

二. 交付日と保険給付
 医療保険制度において、保険給付は療養の給付により行われる。療養の給付とは保険者から委託を受けた保険医療機関において行われるいわゆる「現物給付」であり、この給付は被保険者が保険医療機関の窓口に被保険者証を提示することによって受けることができる。したがって、被保険者証の提示なくして「療養の給付」は受ける事ができない。ただし、被保険証者がなんらかの理由で手許にないとか、急変により被保険者証の提示ができなかった場合等一定の該当する事項により保険給付を受ける事ができなかった場合に、いったん保険医療機関に全額医療費を支払い後日保険者から保険者負担相当分の医療費を償還してもらう「療養費制度」がある。この「一定の該当する事項」にあたるか否かは、保険医療機関に被保険者証を提示できなかった理由が市町村において最終的にやむを得なかったと判断しうるかどうかによる。国保法によれば手続なしでも資格取得できると規定している一方、資格取得日から一四日以内に届出(加入手続)を行う義務を課している。そしてこの義務を怠った場合に各市町村は条例により過料を科すことができることになっている。
 ゆえに、義務違反の場合に対してはさかのぼって保険給付ができるかというと、届出義務を怠ったことに起因して被保険者証の提示ができなかったということであれば「やむを得なかった」と判断することは難しいものと思われる。

三. 窓口での対応
 窓口担当者としては、保険未加入患者に対しては、もちろん早急に保険加入手続を行うように説明するとともに、「最終的判断は市町村にて行われること」を説明し、場合によっては加入手続き日からの保険給付となることも併せて説明をする必要がある。間違っても、さかのぼって保険給付を受けられるというようなことは云ってはならない。なぜなら、最終的判断が市町村にあり、医療機関側で判断できる問題ではないためである。
解答
(1)
× (2)
(3)
× (4)
×