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昨年の夏ぐらいからMRにアンケートを取ると「辞めたい」とか「他業界への転職を考えています」という答えがちらほらと混ざるようになってきた。

 

そこで突っ込んで個別に質問するとやはり顧客であるドクターに会えない。会えたとしてもなかなか相手が心を開いてくれないという顧客へのアプローチの難易度が上がっていること。

 

また、長期収載品がどんどんジェネリックに切り替わるので、病院での処方が見る見る間に低下していくというジェネリックの問題があること。そして、早期退職で身近にいる仲の良い先輩や上司が会社を去るケースが増えていること。

 

このような要因が重なって、MRの仕事を表現出来るチャンスが徐々に減ってきていることでストレスが増している感じがします。

 

MRを辞めたいという人が増えてきています。

MRを辞めたいという人が増えてきています。



しかし、MRがこれを個人的なスキルで解消するべく活動すると会社からちゃちゃを入れられたり、他の会社から刺されたりすることもあるので、なかなか目立つことはできない。

 

そんな八方塞がりな状況がMRのやる気を削いでしまうのだろうなと思う。

 

ここに来て、私は製薬企業も本気で「医療現場への貢献」を真剣に考えないと、確実にそれを実施した会社にシェアを簡単に奪われる時代になったと思う。今までは管理のしやすい単純なSOV(シェア オブ ボイス)任せだったが、もうそんな単純な考え方では市場から速やかにフェイドアウトされてしまうということになりうる。

 

「じゃあ、どうすればいいんだよ!」という声が聞こえてきそうだが、私は最近、MRに下記のようなことを提案している次第である。

 

1)まず売上の事は忘れる。(もうすでに売上が上がっているところでは製品の良さは理解してもらっているので、余計なことをしなくても売上は確保出来る)

 

2)ターゲット先を見直す(患者が多いとか、今までの処方量が多いとかでABC判定する方式だけではなく、どこまで患者さんのことを考え、地域医療を考えて行動されているのか?の医療貢献度の高い医療機関を選定する目とサポートする柔軟性が必要)

 

 

3)会社の決めるエリアにとらわれない。(会社の担当エリアはあくまでも会社の便宜上のものでしかないので、医療圏としての目を養い、自分のエリアの先生でなくても勉強会や交流会で学ばせてもらったり、医療について意見交換をさせてもらう必要性)

 

こんなところからスタートしてはどうだろうかと話している。

 

発想を変えるには自分の身の回りの当たり前のことを少し変えてみるところからスタートしてみる。それしかありません。

 

こういうことをコツコツと行って、顧客に信頼と聞く耳を持ってもらって、初めてディテーリングの意味というか効果が発揮できると思っている。それまでは念仏のように製品名やメリットを話しても右から左に流れていくことは皆さんよくご存知のはず。それならしないほうがお互いの時間短縮にも役立つというわけ。

 

『ちいさいことをかさねることが、とんでもないところに行くただひとつの道』

by イチロー

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