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先日、ある他業種(商社系企業)の若手営業マンAさんと話す機会がありました。彼は大学を卒業し、ほどなく社内結婚し、幸せな家庭を築いています。
給与も同じ年齢の友人達とそん色なく、しっかり稼げているし、家には愛する妻と子供(1名)もいる。自宅も小さいながら東京郊外に購入して、そこから通勤しています。

土日には家族で出かけたり、積極的に両方の両親に孫を見せるなどいい関係でもあります。夫婦関係も良好で特に問題はなく、しいて言えば、もう少しお小遣いが欲しいぐらい。

でも、彼にも悩みがあって、実はもっと勉強したいので、大学院に行ってみたいと気持ちがあるし、出来れば30代で独立して、自分の会社を設立したいと思っています。一方から見ると非常に幸せな生活を送っているが、自分のやりたいことをやれないというジレンマも持っているという状況です。

「こういう時にどのように気持ちの折り合いをつけるのか?」
「どう行動すればいいのか?」という相談を受けました。

人って、自分の本心には嘘がつけないし、つい分別なく突っ走ってしまうことがあります。若い時ほど、エネルギーが余っているので、やってしまいがちです。

私は今まで会社員から起業する人を多数見てきましたし、応援してきました。たぶん100名は超えていると思います。その経験から見ると、とにかくやりたいことをやるんだとそのまま突進していく人は確実に2つの壁にぶつかります。嫁ブロックという壁と起業そのものの壁です。

時間をそちらに取られて、夫婦仲が悪くなり、子供とのコミュニケーションも悪くなり、孤立していくケースが多いですし、起業そのものもなかなか思うようには進まないので、メンタルもやられますし、お金も減らすことになります。

それでは起業する意味はないですよね。だって、みんなの幸せのために起業する訳ですから、それが出来ないというのは非常につらい状況と言えます。



私はこのような会社員でありながら起業する方にお勧めしているのは「起業には長期間の準備期間を取ること」です。出来れば3年ぐらいあると良いかと思います。5~10年でも構わないです。

どんなことを準備するのかというと下記のようなことです。

●自分しか出来ない得意技や分野を作ること
●得意技について徹底的に勉強し、誰よりも詳しくなること
●得意技について情報発信するメディアを作ること
●得意技について詳しい仲間を作ること
●これについてはあいつに聞けというぐらいのブランド化を図ること
●大学院についてはなぜ行きたいのかを明確化し、実際に行きたい大学院の先生に相談してみること
●小さく週末起業からスタートすること

真剣にこれをやろうと思うと最低3年間はかかります。
日本の第一人者になるには10年はかかります。

会社に勤務している間はそれらを磨く時間と思い、ひたすら自分磨きに時間とお金をかけていくのです。

私も以前ある著名な大学院(MBA取得)に行こうと計画し、その教授に会って話をしたら、笑いながらこう言われました。
「池上君はすでに起業して、事業を展開しているのになぜMBAを取得する目的があるの?その時間とお金を活用して事業を展開した方が一層実りも大きいと思うよ。MBAは企業内のキャリアアップとかに使うケースが多いから、いらないじゃないかな」と。

言われてみて、「なるほどな」と納得したのを今でも印象深く記憶しています。

「今は起業はしようと思えば、明日からでも可能な時代です。でも成功する起業はたったの数パーセントにしかすぎません。だから、練りに練ることと小さく始めること(アクション)が大事なんだと思いますよ。」

という話をしたところ、憑き物が落ちた面持ちで自宅に帰っていきました。

皆さんの中にも大きな野望や成功願望をお持ちの方もおられると思います。でも、それはちゃんと育てていくセオリーがありますので、それを外さないようにして頂きたいと思います。この辺のノウハウは以前ならファンタスティック7で学ぶことが出来ましたし、今ではMOB未来塾でお伝えしているところです。

そして、MRや医療系の営業職では医療経営と医療機関の中の問題を良く知ることが起業の最大のヒントとなることでしょう。まあ、それについてはまた、違う機会にお話したいと思います。

医療経営と医療機関の中の問題を良く知る場はこちら↓
https://mr-net.org/clinic-management.html

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